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「バスがなくなってどこにも行けない」
「買い物に行くための交通手段がない」
「病院に行くのにも送ってもらわないと行けない」
交通手段を失った地域では、住民の流出がさらに加速し、町が活気を取り戻すことは困難になります。
過疎地域に限らず、地方の公共交通は極めて不安定な状況にあります。
社会的インフラであったはずの路線バス事業は、2002年の規制緩和以降、「費用対効果」の概念が持ち込まれて、赤字路線は廃止され、車を運転できなければ移動手段がまったくないという地域が続出しました。
しかし、どんなに車社会が発展しても、車を運転できない子どもや高齢者、運転免許を持たない人々が生活を送ることのできる、社会的インフラとしての公共交通は必要です。
今後の日本では、現在のような都市部への人口集中が終息し、地方への大幅な人口移転が起こる可能性が指摘されています。
「地方では車がなければ生活できない」という前提で、地方への人口移転が起これば、「過度に自動車に頼る状態」はさらに加速し、交通弱者にとってますます住みにくい社会となります。
すべての地域で「多様な交通手段を選択できる状態」までいかなくとも、車がなくても生活には困らない状態である地域の創出は、極めて重要な社会的課題です。
「コミュニティバス」や「デマンドタクシー」等の創出を通して、地域の再建を図ることに加え、地方都市が抱える移動に関する課題、しいては今後の日本における「地方」の在り方や機能について提言し、住みよい社会を実現することに貢献していきたいと考えています。
富山県入善町 デマンド交通実態調査(平成28年度)
富山県入善町 公共交通調査・最適化提言(平成29年度