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経営コンサルタント 長谷川 泰彦 が日々考え、感じたことをブログで発信中

自民党の公募型政策提言コンテスト

『とやまの未来を拓く 元気な明日創造プラン』

に出場することになりました。

5月27日(日)11:00~富山県民会館で

5分間のプレゼン発表です。

もちろん公共交通政策でチャレンジです。

途方もない提言のようですが、

富山県のモビリティについて考えてみました。

人とまちの絆を結ぶ優しい交通ネットワーク

1.このテーマを挙げた理由

①地方では車社会の進展で公共交通が弱体化し

、交通難民が増え続けています。

私たちは車を自由に使えますので意識していませんが、

富山市の調査では「車を自由に使えない人」の割合は

約3割、そのうち女性が76%を占め、

年齢別では70歳代以上が約半分です。

18年後、2030年には後期高齢者が2割を超え、

交通難民は増加します。

私たちもいずれは車を使えなくなります。

つまり交通弱者の問題は、

少し先の私たち自身の問題なのです。

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②富山市が推進している「コンパクトなまちづくり」は、

移動に関する極めて先進的な事例を数多く成功させています。


・富山ライトレール(JR富山港線のLRT化)
・市内電車の環状線化
・JR高山線の列車増発とパーク&ライドの推進

2017年には富山駅周辺の立体交差が完成すると、

ライトレールと市内電車の直通運転が実現します。

これに続いて、市内電車が南富山駅から地鉄

上滝線に乗り入れる話も出ています。

将来は市内から市電で立山観光に行く時代が

来るかも知れません。

③2014年に北陸新幹線が開業し、

並行在来線は第三セクターに運営が取って代わります。

これに関連して、城端線・氷見線の問題があります。

乗客の減少で代替バスへの切り替えの話も出ていますが、

富山県としてはライトレールの成功事例もありますので、

LRT化して万葉線と相互乗り入れという方向が自然な

流れなのかなと思います。

北陸新幹線新高岡駅は城端線接続になりますので、

高岡市はモビリティの再設計が必要です。

こうした背景の中で、今は県域全体の移動性の確保

について取り組む絶好の機会です。

交通弱者に対して優しい社会の実現は、

私たちすべての人にとって優しい社会になります。

2.提言の趣旨

県主導でバス・鉄道・市内電車の「乗継ステーション」を

県内各所に建設し、交通網の拠点とします。

各拠点では、鉄道や軌道から域内バスへ、拠点間の

バスからコミュニティバスへバリアフリーで乗継ができます。

ICカードを利用すれば最低限の移動障壁で済みます。

北陸本線以外は改札もいらなくなります。

同時に、乗継ステーションには商業集積を促すこと、

駐車場を設けることで、経済活動の拠点機能も持たせます。

雨や雪に濡れずに乗り換えができ、

待ち時間も充実しているというわけです。

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Transit Station Distribution Map

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その上で、

①富山市・高岡市の市街地交通は民間事業者

小型バスの高頻度輸送を行う。(City Bus)

②拠点間の移動は、鉄道、軌道及びバス路線が担当し、

公設民営を基本とする。(Suburban Bus)

③地域拠点での域内交通は、日常生活路線として市町村、

地域企業、病院、ショッピングセンターなどの地域コミュニティー

が負担する。(Community Bus)

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こうした取り組みによって、県域全体の移動を確保します。

海外でのパーク&ライド成功事例は、市街地の渋滞緩和を

目的として市街地外縁部の駐車場で車を降りて市内へは

公共交通で入る、というものですが、この提言は市街地

ではなく郊外の交通に重点を置いています。

現在はすべてのバス路線が富山駅・高岡駅を起点にしていますが、

乗継拠点を設けることで柔軟な路線設計を可能にします。

路線を短距離にすることで運行本数を確保することもできます。

 

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3.政策の有効性

こうしたモビリティに関する取り組みは、

非常にインパクトがあります。

特に城端線・氷見線をLRT化して万葉線と

相互乗り入れにする、といった取り組みは

間違いなく全国から注目を集めます。

10年単位で時間をかけて「モビリティ先進県」を目指し、

「これからの地方のあり方」を全国に向けて

発信するための素地を、富山県は持っています。

多くの地方では「車がなければ生活ができない」

というのが大前提ですが、自然豊かな富山県で

交通弱者に優しい社会を実現するということに

意義があります。

この波及効果は、

「経済」「観光」「商業」「福祉」「雇用」

など様々な面で現れます。

①経済…複数の拠点を建設することは、

大型の公共投資になります。

「コンクリートから人へ」と言われ、

公共建築への投資が敬遠されて

いますが、必要な投資をしっかり

やっていくことは絶対に必要です。

経済活動基盤の健全化にとっても有効です。

②観光…富山県最大の観光資源

「立山黒部アルペンルート」を訪れる

100万人のうち半分は信濃大町側

からです。新幹線開通を機に

富山県がより魅力的な都市になれば、

今まで以上の観光客誘致も可能です。

③商業…各拠点に商業集積を促し、

ショッピングモールのノウハウを展開する

ことで、商業の発展のみならず

起業家の養成にも効果的です。

④福祉…交通弱者に優しい社会の実現は、

すべての人にとって優しい社会になります。

⑤雇用…商業・観光に加え、

公共サービスを充実させることで

多くの雇用を生み出します。

こうしたインパクトと波及効果の大きい公共交通政策に、

今こそ注目すべきではないでしょうか。

 

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Impact & Sperding effect

人とまちの絆を結ぶ優しい交通ネットワーク(配布資料)
人とまちの絆を結ぶ優しい.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント [433.3 KB]

このほかにも、富山県は日本海側唯一の

総合拠点港を有していることや、

水力による豊富な電力を生かした

電気自動車事業の展開など、

相乗効果の高いコンセプトを

数多く生み出すことが期待できますが、

今回は公共交通政策に絞って

提言をまとめてみました。

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プロフィール

財務と組織の「枠組み」を変える
経営コンサルタント

長谷川 泰彦
Hasegawa Yasuhiko

株式会社リフレーム 代表取締役

中小企業診断士

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