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企業に訪問して、まずやることは、
経営者の話をじっくりと聞くことです。
そこで語られる会社の物語は、
経営者の人生そのものです。
どんなに小さな企業でも、
継続していれば波乱はあります。
変化のきっかけや、岐路に立つこと、
その時の判断のひとつひとつが、
その後の会社の進む道を決めています。
そうした話を聞き出しながら、
経営課題について話し合いますが、
たいてい最初に取り組むことになるのが、
会計としっかり向き合うこと、または、
従業員としっかり向き合うこと、です。
中小企業で問題になる多くのことは、
会計や数字から逃げてきたことや、
従業員と正面から向き合うのを避けてきたことの
どちらかに起因しています。
財務改善で一時的な手当てをしても、
その姿勢が変わらなかったら、同じことです。
それは経営者が一番よく分かっています。
ですから、こちらから指摘したり指導しなくても、
適切な質問をすれば、経営者のほうから、
問題の原因や解決策を語ってくれます。
今まで何年も、会計や従業員と向き合うことを
避けてきた経営者が、それに向き合うのは、
精神的にハードルの高いことかもしれません。
それに主体的に取り組んでもらうのが、
今の私の主な仕事です。
高校生のころから、
船井幸雄さんや渥美俊一さんの本を読んで、
経営者の人生に寄り添う仕事ってあるんだなと
漠然と思っていました。
規模はずっと小さいけれど、
今それに近い仕事をしているということは、
やっぱりこの仕事も、
昔からやりたかった仕事なのだと思います。
トラックやバスに関わることと同じくらい、
経営者の人生に寄り添うこの仕事も愛しています。