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地元企業の経営支援に取り組む中で、
地域に固有のリソースをより活用して
いくことが、経営課題の解決に繋がる
ことがあると実感しています。
私たちは、どんな地方に住んでいても、
グローバル経済の影響から逃れられない
と思い込んでいます。
燃料や原料は海外から調達しているし、
生活必需品や電気やガスも、マクロ経済
の影響を受けますので、経営の安定には
不安材料だらけです。
しかし、そうでない事例も数多くあること
が、この本に書かれています。
地域固有のリソースに着目し、マクロ経済の
影響を最小限に抑えている事業者たちです。
2013年に刊行されたこの本は、これからの
地方社会を考える上で本当に参考になり、
また、地元の企業支援においても、確信を
持って方向付けができるようになります。
「里山資本主義」というネーミングが、
とてもいいと感じます。資本主義を否定し、
新たな社会を提言するのではなく、軸足を
少しだけ地域経済に移すことで、豊かさが
変わるという、現実的で身近な提言です。
地域固有のリソースへの着目は、価値の
ないものに価値を見出すことから始まり
ます。企業支援においても、この着眼点
を忘れないようにしたいと思います。